大阪府公立高等学校 一般入学者選抜 CD付 2020年度受験用 赤本 30271 (公立高校入試対策シリーズ) 

1. 環境問題をテーマにした問題である。

日本国内の公害の歴史、地球温暖化対策と国連の環境会議という2つのテーマで構成されている。
高校入試で環境問題が出題される場合、日本は四大公害の歴史、海外は地球温暖化対策と国連の環境会議という場合分けになることが多い。

(1)Yさんの班は日本国内の環境問題

日本国内の環境問題として戦前の足尾銅山鉱毒事件を題材にしている。世界地理では銅の産出量、憲法では新しい人権としての環境権、戦後の歴史では公害対策の歴史として役所の設置や法律の制定の時期を並びかえる問題が出題された。

戦後の歴史との関連として、高度経済成長期の負の側面として公害が発生していること、公害対策として法律が制定されていることを抑えておくと正解につながる。

(2)Tさんの班は地球温暖化対策会議に関する問題

1992年の国連環境開発会議と1995年の京都議定書など主要な会議は覚えておかなければならない。直近の時事問題では10代の活動家のグレタ・トゥーンベリ氏が注目されている。今後、時事問題と絡めて出題される可能性が高いと思われる。

① リオデジャネイロの国連環境開発会議
(a)は地図でブラジルの位置を記号で解答する問題で基本的である。(b)は20世紀最初の出来事を選択肢で基本的な問題である。

② 資料問題
温室効果ガスを排出している上位4ヵ国のうち1位・2位を解答する問題である。ニュースで中国とアメリカの温室効果ガスの取り組みに注目していれば難しくないかもしれないが、資料や背景知識を抑えておく必要がある。

③ 気候変動枠組条約締約国会議(COP)に関する問題。
COPでは1997年の京都議定書の出題頻度が高い。(a)で京都議定書を解答する問題が出題されているが、この問題は確実に正解したい。
(b)温室効果ガスの大気中の濃度に関する資料問題
この資料問題は普段から対策していれば基本問題であるといえる。

2 観光資源をテーマにした問題である。

日本の観光政策や観光資源を題材にした問題で、日本地理と公民を中心にした問題と言える。

(1)Sさんがまとめた内容の穴埋め問題であるが、環太平洋造山帯やフォッサマグナなど基本的な問題であるので確実に正解したい。

(2)公民の内閣の問題
① Aの答えは国土交通省である。リード文にある観光庁・海上保安庁を外局としておいているという知識が抜けていると戸惑うかもしれない。
② Bの答えは国務大臣である。内閣の基本問題であるので確実に正解したい。

(3)国連の機関を選択肢で解答する問題である。塾用教材や学校の教科書でよく見かける国連の機関を覚えていれば問題ない。

(4)富士山に関する問題
① 歴史の問題。
この大問の中で歴史はこの問題だけである。富士山が世界文化遺産に登録されている。今後、時事問題として世界文化遺産に登録された場所を地図で覚えることが対策として求められる。

② 日本地理の問題
フォッサマグナを結ぶ点で、新潟県と静岡県以外で通る2県を解答する問題である。基本的な問題であるので確実に正解したい。

(5)雨温図
日本地理で雨温図に関する問題である。各地域の雨温図の特徴を抑えていれば確実に正解できる。

(6)資料問題
資料問題になれていれば難しくないだろう。

3 経済の発展と産業の発達に関する歴史

この大問は古代から近現代までの歴史の問題である。幅広い範囲で出題されているが、流れを抑えていれば確実に正解できる。

(1)古代史
① 律令国家の年貢の中身を抑えていれば正解できる。
② 8世紀の日本について述べた文を選ぶ問題であるが、基本的な問題である。

(2)中世史
①②ともに室町時代の問題である。基本的な問題であるので確実に正解したい。

(3)江戸時代
① 江戸時代になると政治改革と将軍・老中・内容の組合せで覚える量が多く、ややこしいと感じる受験生もいるだろう。株仲間を奨励という箇所を抑えれば田沼意次と解答できる。田沼意次のように奨励した人がいた一方で、天保の改革において水野忠邦は株仲間の解散命令を出している。

② 江戸時代は鎖国をしていたが、外国船が現れるようになった。最初に現れた外国船はロシアであることを抑えておくとよい。

(4)明治時代
① 1872年の出来事を選ぶ問題であるが、この問題は正確に年表を覚えていなくても消去法を使えば解答できる。
② 地租改正に関する問題で記述問題である。地租改正によって現金で納めるようになったことや3%であることは、ほとんどの受験生が理解していることかもしれないが、地租改正反対一揆で2.5%に引き下げられていることを覚えておかないと正解は難しい。

(5)戦後
① 戦後の農地改革で自作農が増えているが、資料をヒントにすれば解答できる。
② 戦後の日本経済史の問題である。基本的な問題であるが、流れを抑えていれば解答は難しいだろう。

4 国会に関する問題

(1)近現代の世界史と公民の問題で構成されている。
① アメリカの歴史で、リンカーンは正答率は高いだろう。
② 選挙の4原則の1つである秘密に関する憲法の条文の穴埋め問題である。条文にある「これを侵してはならない」に注目すれば正答できるだろう。
③ (a)フランス人権宣言と同時期に起こった出来事を選ぶ問題である。世界の出来事を抑えていれば正答できるだろう。
 (b)精神の自由に関する条文の穴埋め問題である。この条文は正確に覚えておきたい。

(2)三権分立に関する問題
① 国会に関する問題で、基本的な問題である。
(a)両院協議会を解答する問題は難しくないが、ねじれ国会でない限り開かれる可能性はほとんどないので受験生の中には難しいと感じるかもしれない。
(b)予算に関する内容で、財政に関する内容をチェックするとよい。
(c)内閣不信任決議案が可決したら内閣は何をするのか、教科書などで確認するとよい。基本的な問題であるが、内閣不信任決議案が可決すること自体、ほとんどないので難しいと感じるかもしれない。

② 地方自治に関する問題
(a)住民の請求について請求先を間違えないように覚えるとよい。リコールの場合は選挙管理委員会、監査請求の場合は監査委員と、それぞれ覚えるとよい。
(b)地方公共団体の財政に関する問題で、語句を覚えるだけでなくなぜ地方交付税交付金が国から配分されるのか目的も知っておかないと正答は難しいだろう。

③ 一票の格差
国政選挙で一票の格差が問題になっている。根拠として憲法の条文の平等権にある「法の下の平等」に違反すること、裁判所が違憲判決を下していることを抑えておく必要がある。